マーシーSide
 
「主任、今日は本当に申し訳ありませんでした」


あたしは馬車の中で疲れて眠ってしまった美結の肩を抱きながら目の前の上司に向かって再び謝罪の言葉を口にした、でも主任と美結ってどう考えても接点が無さそうなんだけど
これは聞かないほうがいいのか?って自分で勝手に解釈したあたしは主任の返答をただ浸すら待つしかなかった

「そのことについてはもうあれこれ言うのは無しにましょう、それよりもマーシーさんあなた気が付いてないんですか?」 


「え?!な、何のことですか?」

「美結さんに掛けられている守護魔法のことですよ」


……!
主任の言葉に思わず言葉を失った
流石は魔法省のトップにいるだけはある、美結に掛けられてる強力な守護魔法に即座に気付くとは…
実はあたしも薄々気付いてはいたけれどあたし如きの魔法師が解くには
かなり難解な魔法が掛けられていて
お手上げ状態だったというのが本音
これだけの守護魔法が掛けられてるということは何か理由があるはず!
そう考えたあたしは口実をつけて王都に連れだしたのだが…


「実は美結に会った瞬間にすぐ気が付きました…でもあたしにはかなり難解で到底無理だとすぐにわかったんですがこんなに二重三重に守られているのは何か理由があるような気がして」


あたしの言葉に何か考え込んだ表情を浮かべた主任はそのまま黙り込んでしまった