似ている・・・・
目元とか顔全体の感じが似てる
国王陛下の顔をみたあたしが思ったのはそんなことだった
オリバー王子がもっと大人になったらこんな中年男性になるんだろうなって思うくらいイケメンなおじ様だった
少し白髪交じりな乱れた髪も妙に色っぽい
だけど顔色は良さそうだ・・・・部屋に入るなり陛下はあたしを見ると大きく目を見開いた


え・・・・・な、なに?
あたし何か変?
もしかしてこの格好が変だとか?
陛下に逢うのにこの服はなかったか・・・・だってドレスなんてもってないし


「エリー・・・・?」

え、今なんて?
エリってお母さんの名前・・・・・だよね?


「父上・・・・どうかされましたか?お加減は大丈夫ですか」
「あ、い・・・・いや大丈夫だちょっと驚いてしまってな」


そう王子に答えるとあたしから視線を外しているが国王陛下はうろたえているのがわかる・・・・あたしのことに見覚えがあるから?
それはもしかしてお母さんに似ているから?
聞きたいことは山ほどあるけどここは我慢だ
仮にも目の前にいる人はこの国の国王で、この国を治める人
いったん心を落ち着けよう
そう思いなおして目の前の国王陛下に意識を集中した


「・・・・で、そちらのお嬢さんは「ああ、申し遅れました彼女が父上に治療魔法を施してくれた魔法師で川島美結と申します」

「か・・・川島美結です!!あ、あの・・・・かわしまが名字でみゆが名前です!よ・・・よろしくお願いします」


「美結さんか・・・・・こんなに若いお嬢さんが治療してくれたなんて君のような逸材がいたなんて知らなかったよ、礼を言うよ・・・ありがとう感謝する」
「いいえ感謝だなんて勿体ないです」
「王子・・・魔法師の顔と名前は大体知っているつもりでいたが彼女はいつから魔法省に?」
「つい最近です・・・・わたしが連れてきました治癒魔法を使えるものは貴重ですので」
「そうか・・・・・美結さんと言ったかな?君には本当に感謝している、わたしから褒美をあげたいのだが何か希望はあるか?」


褒美・・・・
特に欲しいものなんてないけど、今一番知りたいこと
お母さんのこと・・・・前王妃様はお母さんと同一人物なのか

「わたしは・・・・知りたいことがあります」
「うむ、知りたいこと?それは何かな?」
「はい・・・・ご褒美はあの・・・陛下にぜひ聞きたいことがあります!それを聞いて頂きたく!」
「いいだろう、何なりと尋ねるがよい」
「はい、全王妃様のエリー様はわたしの母ではないかと思っております・・・・肖像画を数日前初めて拝見しましたあれは間違いなくわたしの母です」


わたしの意外過ぎる爆弾発言に部屋の中の空気が緊張感を増した
王子は横に立ったまま食い入るようにあたしを見つめていた