「お·····王子?」


「美結!!」


目の前に王子が居た
余程急いで来たのか息を切らして汗ばんでいるよう
彼は牢に居るあたしに駆け寄った
柵越しに王子の端正な顔が見える
少し痩せたように見えるけど元気そう
良かった、やっと逢えた
本当に良かった


「おい!!美結をここから出すんだ」


「は、はい!!」


「王子·····」


「美結、陛下から許可は得てきた何も
心配はいらない」


王子の言葉にはっと我にかえった


「王子!!私だけじゃなく他の皆んなも
出してあげて!理不尽な理由で入れられた人たちなの、お願い!!」


「美結·····今出してあげれるのは
残念ながら君ひとりだけだ、他の人達のことはまず目の前の問題が片付いてから俺が対処しよう·····悪いようにはしないと約束するよ」


王子の言葉に黙って頷く
私の我儘で勝手なこと出来ないよね
それは充分わかっているけどなんだか歯痒くて仕方ない


わたしはその場で皆んなに別れを告げると王子と牢を後にするしかなかった