「実は毎日日照り続きで井戸の水が干上がっちまうし水不足で川の水ですら満足に飲めない有り様で·····
だから美結様に相談に来たんですが」


「水不足かぁ、う~ん·····」


門番のジェフリーは心底困った顔をして私を見つめていた
疫病に加え1ヶ月近く雨が降らない日照りが続いてリルモンドの民は疲弊しきっていた
でもだからって言ったってあたしに雨を降らせる力なんてあろうはずない
精々少しの治癒魔法が使える程度だし


「美結様!!美結様の力でなんとかなりませんか?このまま日照りが続いたら
俺らの家族もどうなるか」


「でも今のあたしは此処から出ようにも出られないから何かやろうにも
限界が·····」


言いかけた私は珍しく牢の外がザワザワしているのに気がついた
何だろ?誰か来たのかな?
目を牢の入口のほうに視線を移すと信じられない人物が表れる
思わず縫い付けられたように固まってしまっていた