予想外の言葉に、思わず瞬きを繰り返した。
「めちゃくちゃにしたら、折れちゃいそうだ」
「…っ、ふぁっ」
撫でるように優しい手つきに、甘い声が漏れてしまう。
捲っていた服は呆気なく脱がされてしまい、水っぽい音を響かせながら慶兄が肌に顔を埋め、甘い痺れに眉をしかめた。
足の間に割って入ってこられてしまい、とうとう抵抗もできなくなってしまう。
目に入る慶兄の髪が、私の胸を覆っていた。
「っあ、まっ…ダメっ、けぇっに…っん」
「待てない」
体が熱くて、胸がドキドキする。優しく私に触れる慶兄の全てに、体の力がどんどんと抜けていく。
体温が上がったせいか、胸の鼓動が額のたんこぶに響く。
それでも、慶兄によって与えられる甘い痛みと痺れが、余裕で勝るようだった。
尋常ではない程、胸がドキドキと高なる。
それと同じ位、体が小刻みに震える。
息がつまり、小刻みに震える体を抑えきれなかった。
―――…怖い。
「…もも?」
―――…怖い。

