軽く朝食を食べさせてもらい、少し濃いめの化粧を済ませると、慶兄のぶかぶかの服を着たまま荷物を持って車に乗り込んだ。
瑠衣斗と一緒で、やっぱり料理上手な慶兄に、軽く乙女として恥ずかしくなったけど。
「ゆっくりでいいぞ~」
家の前で車を横付けしてもらい、ドアを開けた。
「ありがとう。んじゃ行ってくるね」
慶兄を軽く振り返りながらそう言うと、軽い足取りで車を降りた。
駆け足で玄関まで来ると、鍵を開け中に入った。
ぶかぶかの慶兄の服から、慶兄の甘い香りがする。
包み込まれているような感覚に、昨日の出来事が頭を過った。
は…恥ずかしっ!!ダメダメ思い出したら!!
階段を登り、自分の部屋のクローゼットを開け、適当に服を引っ張り出した。
慶兄から借りた服を脱いで、自分の服をきこみ、目隠しになると思い、近くにあったキャップを目深くかぶっておいた。
ちょっとは可愛い服買った方がいいかな?
ボーイッシュな服を好む私は、ダボッとしたジーンズに白のタンクトップ、上に黒いシャツを羽織っている。
可愛い服なんて…ないな。まあいっか。
上から自分の姿を確認し、鞄を持って慶兄の元へ戻る事にした。

