「ひょっとして、経験ない？」
「………けっ」
「経験。ない？」
むちゃくちゃストレートすぎない!?て言うか、今さっきお友達になったばっかだよねえ!?
酸素の足りない金魚のように、真っ赤になって口をパクパクするしかない私に、ジュリは更に口を開いた。
「え、当たり!?貴重だなあ」
もうお願いだから喋らないでえ…。
「や…あの、あの」
もう頭の中がぐちゃぐちゃで、何も言い返せない。
そんな私に、ジュリはドキッとするように口元を持ち上げ、意味有り気に笑ってみせた。
「ももみたいな女の子初めてだ。これから仲良くしてね」
「あ、うん」
私が返事をすると、ジュリはニコニコと笑って見せた。
仲良くできるかめちゃくちゃ自信ないよ。
不思議君からフェロモン王子に改名しよう。
