4月、まだちょっと肌寒いこの地域で私、『高宮 華』は高校一年生になりました。
うちは裕福な家庭で、父は大手会社の会長。母は有名なジュエリーショップの社長。こんなお金持ちの家に育った私ですが、親は会長だの社長だのってやってるから家のことは全てお手伝いさん。何不自由ない生活をしてきたけど親との時間はほぼ0。だから私がこの家にいる意味ってなんだろうって中3の時思って、高校は私の住んでる大都会、東京からかなり離れた北海道のど田舎の高校に行くことにしました。初めての一人暮らし。不安と希望を持ちながら行った入学式。

「えええ!あや、高校同じなの!やば!嬉しい!」

「ねえ、私のメイク変じゃないかなあ?」

「え、あの子可愛くね?どこ中だったんだろ…」

どーやら皆さん1人はお知り合いがいるようで。
しかも何この香水の臭さ!化粧みんな濃くない!?絶対高校間違えた…どこでもいいやって思ったけどかなり偏差値の低いところに来たみたい。
にしても1人かあ、、、

「ねえねえ、はじめまして!あなたどこ中だったの?」

私?私に声かけてる?
「え?私?」

「そ!あなた!」

「私は元々ここに住んでなくて、本州から来たの」

「え!そうなの!じゃあ1人!?心細くない!?」

「ちょっとだけ笑笑」