大人になんて、ならないで。





「……怒ってるよ」




ギュッと、真矢くんの首に腕をまわす。




「……!」



「真矢くんのせいで…一睡も出来なかった」




ぎゅうっ、と。



ちょっと苦しめようと、締め付けるように腕に力を入れると



私の背中にまわっていた腕が腰の方へ下がってきて。



力を入れられると、体が宙に浮いた。




「わ…!ちょっと…!」



「じゃあ、
ずっと寝かせない」




私を抱き上げたまま、部屋に入り込む真矢くん。



私の靴も脱がせて、リビングのソファーにおろされた。




「……スーツ、脱いで」



「…え…」



「シワになっちゃうよ」