大人になんて、ならないで。




だけど



繋がれた手は温かくて、ちょっと落ち着く…気がした。



……あれ?そういえば…。




「真矢くん」



「ん?」



「私が家に帰ってないって、
どうしてわかったの?」




真優から聞いていたとしたら、残業だということもわかるはず。



そうじゃないなら、どうやって知ったの?




「……高校からの帰り道で、
めぐちゃんが住んでるアパートの前通るから」



「え…それだけでわかる?」



「電気ついてなかったから、気になって。
ラインも返ってこないし…」



「そっか…ごめんね。
仕事に集中してたから気付かなかった…」




仕事中でも、連絡くらいはささっとしておけばよかったね…。




「いいよ。
今一緒に帰れてるし、
ご飯も一緒に食べれるんだから。
こういう日がたまにあってもいいね」



「出来れば残業したくないけどね…」



「ははっ、そっか、そうだよなー」