大人になんて、ならないで。





「全然、気付きませんでした…」



「……ったく。
本当にバカで、不安だわ」




いつも真矢くんは、すっごい優しいのに(たまに意地悪だけど)。



こんな呆れた感じでバカとか言われたの、初めてかも…。




「ご、ごめん気付かなくて…」



「いいよ。今理解してくれれば」



「理解しました!」



「はいはい。
で、うちでご飯食べる?」




真矢くんがスマホの画面を見せてくる。



画面には真優とのラインの画面が表示されていて、



【愛を連れてくるなら
帰りに愛の分の食材買ってきて】



真優からはそんなメッセージが送られてきていた。




「……わ、私もいいの?」



「食材買ってきたらいいって、姉ちゃんが言ってんだからいいよ。
じゃあ一緒に買い物行こうか」