「どうですか?ここ」



「……最悪の気分かな」



「そうですか。
あたしはこの喫茶店お気に入りなんですけど」



「お昼、遠野さんがここを勧めてきたのって…そういうことだったんですね」



「ふふ。まぁ。
部長ともあろう方が、まさかウチの弟に負けるなんて…悔しいですか?」



「遠野さんって意地悪ですね」



「よく言われます。
でも、これでも愛の親友なんですよ」



「安井さんは変わってるのかな」



「そうかもしれませんね。
部長じゃなくて、弟のこと好きなんだから」



「じゃあ最初から…俺は勝ち目なかったのかもしれませんね」



「ふっ…そうでしょうね。
アイツ…いい男ですから」