大人になんて、ならないで。




家に着いて、傘を閉じる。



エントランスの集合ポストから、自分の部屋の郵便物を持って階段を上った。




「ただいま」



「おかえり。遅かったじゃん」



「……なにあのメモ」



「んー?
真矢のモヤモヤを解消できたらと思ってさ」




……なんだそれ。



姉ちゃんの追い出したい気持ちが滲み出てて、余計にイライラしたっつの。



リビングのテーブルに持ってきた郵便物を置くと、姉ちゃんがそれを見て「あ!」と声をあげた。




「真矢、ちゃんと愛と話出来たんだね」



「は?
……出来てたらこんな機嫌悪くねーよ」



「え?
郵便物、これの他にもう一つあったでしょ?」



「それで全部だけど」



「え…アンタが勝手に持ってったんじゃ…」



「俺宛の郵便物が来る予定でもあったの?」