大人になんて、ならないで。





「……どうして、金曜日の夜は遊びに行かないの?」



「そんなの、あたしたちが酔って帰ってくるからじゃん」



「いや……別に真矢くんがいなくても…」



「昨日、真矢がいて助かったのはどこの誰?」



「う゛……私です」




顔を俯かせたら、



真優がクス、と笑った。




「酔っ払いの世話もあるけどさ、
一番は…“婚約者”に会うためだよ」




真優はコーヒーを飲み終えて空になったマグカップをコトンとテーブルに置くと、



『シャワー浴びてくるわ』と言って浴室の方へ歩いていった。





……“婚約者”って



その冗談、もうそんなに広がってるの?真矢くん。