「遊んでねーよ。 婚約者と結婚生活の予行演習してただけだから」 Tシャツを着て、私をじっと見つめながらスマホに向かって真矢くんが言った。 『婚約者? あー、あの昔言ってたおね───』 ブツ。 電話の向こうで何か言おうとしてたのを無視して、真矢くんは途中で電話を切ってしまった。 いや…それにしても。 そんな、一夜の過ちで…『婚約者』なんて。 ……荷が重い。