【完】君に惚れた僕の負け。

結局あたしがスプーンを拾い上げて、代わりのスプーンを持ってきた。




「朱里くん、どうかしたの?」



「あ……あぁ、ありがと」



スプーンをうけとった朱里くんは二、三度瞬きをしてあたしを見上げた。



「俺も休日って早起きするためにあると思う」



「朱里くんも?そうだよねー」



「今日はちょっと具合悪くて寝てたけど」



「え、大丈夫? 病院ついていくよ?」



だからあんなに変だったの?



思わず首元に手を当てる。



「もう平気。今からどっか行こうよ」



「うん!」