【完】君に惚れた僕の負け。


「あんま調子のんなよ」



いつの間にか反転して、覆いかぶさられているのはあたしの方。




朱里くんの片手に掴まれた両腕はびくともしない。




「……恋々ちゃん、よっわー」



片手の親指がツーっと頬を撫でる。




びくっと体が震えて、それを楽しそうに眺める朱里くん。




「は……放してよ」



こんなに切羽詰まった声で必死に懇願してるのに。



「……いい眺め」




そんな感想ふつう出てくる?