【完】君に惚れた僕の負け。

「分け合って食べるとおいしいね? はい、もうひとくち」


同時にかぶりつかされる恋々の真っ赤な顔。


声にならない恋々の声が響き渡る。



今はそれでいいよ。

わけわかんないまま、俺に振り回されてて。



「……朱里くんの女たらし……」


「俺の話聞いてた?俺は好きな子以外にベタベタなんかしないから」


「あたしにしてるじゃん!」



うん。だから、そういうこと。

好きってこと。



なんでわかんないのか、それが俺はわかんない。