「……プ」
あ、朱里くん、笑ったでしょ。
だから、何が面白いの。
「……学食で割り箸もらってくる」
「遠慮しなくても全部食べさせてやるのに」
「……っちゃらい!たらし!絶対に嫌!」
「すげー言うじゃん」
――ムニ。
片手で両頬を掴まれたあたしの視界いっぱいに朱里くんの綺麗な顔が。
「……その顔いいね。はじらい全開ですか?」
見下す笑いは、なんだから満足そうで悔しい……っ。
「は、はなひて(離して)」
ていうか、なんでそんな見つめるの……?
あたしの視線は混乱であっちこっちに泳ぐ。
「……まじで食べたい」
食べればいいじゃん、朱里くんは自分のお箸持ってるんだから!