「そんなにおいしかった?」



って覗き込むのは、かわいらしい目。



「うん。すっごくおいしかった」



そう素直に返したくなる年下の可愛い朱里くん。



「……じゃあ俺のもあげる」


ひょいっとつまれたお花のサツマイモがあたしの口元へ運ばれてきた。



「……、ちょっと、自分で」



「なんで照れてんの?」


「だって、あたしは朱里くんみたいに歯並びよくないし、綺麗な顔してないのにそんなに見つめられたら」



「俺、恋々の八重歯って可愛いと思うけど。小悪魔っぽくて」



「―――っ」



至近距離で、ぼうっと見つめてくる朱里くんのほうがずっと小悪魔なんですけど。


どうしてそうやってすぐからかうの?



もういい!


「あむっ」



がぶりと(かじ)りついた。


途端に口の中にとろける甘さが広がっていく。


「おいしー……っ」



「……かわいすぎか」



「なんかいった?」



「その真っ赤な顔どーにかすれば?って言った」



「……っ!これは仕方ないじゃん……」


たしかに両手を頬にあてると限りなく熱いけど。