横になったあたしに布団をかけてから朱里くんもはいりこむ。


ほんのり残る温もりがつま先を温めて、布団の中で手と手が触れあった。


指先はどちらともなく絡んで、ぎゅっと繋がれる。



「恋々……夜通し喋ろっか」


あたしの心が読めるんじゃないかって思っちゃうよ……。


「うん。そうしたい」


「小さいころ、よくしたよな。たいてい恋々が先に寝落ちして」


「うんうん。あたし朱里くんと喋りながら寝るのすっごい好きだった」


「……俺も」


「……ふふ」



照れくさくて笑いながら布団を少しだけ被る。


そんなあたしを朱里くんはちらっと見て、また天井に視線を戻したから、あたしもそっちを見た。


「朱里くんと一緒に住んで楽しかったなぁ……やっぱり寂しいよ」


幼馴染への想いから恋心になっちゃったせいで、余計になのかもしれないけど。


そうじゃなくてもあたしはきっと、朱里くんと離れるとき今みたいに涙をこらえていたと思う。