「おみくじ引こー」

俺を見上げるのは、ほわわーんとした笑顔が戻ってきた恋々。


マフラーの片側がだらんと落ちた。


巻きなおしてやると、「ありがと」とマフラーに顔をうずめる。


そういう仕草にいちいちドキッとさせられて、なんか悔しい。



おみくじを手に取って、二人で同時に開いた。


パッと開いた二枚の紙。


「……っプ」



余りのインパクトに噴き出した。



狙ったかのようにタイミング絶好調だな。


「ほんとにあたし凶なの……!?」


「すげーなお前。初めて見た」


「朱里くんばっかり大吉なんてずるい……!」


「てか、こういうのは凶より大吉の方が多く入ってんだよ」


「……っ、なのになんであたし凶なの……?」



俺は腹がよじれるほど笑ったね。



こんなもん信じて半泣きになんなよ。


そういう素直さ好きだけどね。