【完】君に惚れた僕の負け。

「……俺に触られんの嫌なんじゃないの?」



「本当に、嫌なんかじゃないの」



信号の赤に照らされた赤い頬を見上げると、朱里くんと一瞬目が合ってすぐに逸れた。



「もうあったまったから、離して」



「……離したくない」


指先、まだ氷みたいだもん。



「……馬鹿」