慣れた道を思いっきり走ると、 街灯に照らされた亀の大きな滑り台のてっぺんが見えてきた。 「朱里くん!!」 涙をぬぐいながら名前を叫んで公園をただ目指す。 いるとすれば、いつも親の目を盗んで二人きりになる絶好の場所だったトンネル状になった亀のお腹の中な気がする。 「朱里くん!いる!?」 スマホのライトで亀のお腹の中を照らすと、 眩しそうに目を細めながら顔を背ける人がいて。 ……ビンゴだ。 「……なに見つけてんだよ」 亀のお腹の内壁にもたれながら座りこんだ朱里くんを見つけた。