【完】君に惚れた僕の負け。

『もしもし?』



朱里くんの声が聞こえてこんなに嬉しい。
でも落ち着け、あたし。


「もしもし。電話でられなくてごめんね」


『いや。なにしてた?』


それ、聞いてくれるの?


実はあたし、朱里くんみたいに!


「人生で初めて告白されたの!」


これは正直、報告というよりは自慢。


『……ッ、はぁ!?』


耳にキーンときた。
びっくりしたぁ。声大きいよ。


『それで?返事は!?』


なんでそんな前のめりで聞くの?


「……断ったけど」


『あ……そう。相手ってふうちゃん?』


「そんなわけないでしょ。昨日初めて喋った人だよ……」


あ、でも知り合いだったのかなぁ?


『それ、だれ?』


なにその低い声?