「……はぁ?」


しゅる、とネクタイが結ばれていく。



いや、待て待て待て。


待って。



「だれと!?」


俺はいつの間にか恋々の両肩に手を置いて叫んでた。


「あっ、あぁー!せっかくあとちょっとで結べるところだったのに……」



今そんなことはどうでもいいから。


「誰としたんだよ」



どこの誰。



最高に怒りに震えてるけど。



「ち、近いってばぁ!」



ぎゅるんと顔を背ける真っ赤な顔。



「答えなかったら離さない」




いいから答えろ。そいつ、しめてくるから。