【完】君に惚れた僕の負け。

小麦色に日焼けしたサーファーのような店員に案内された試着室。


鍵付きのドアの向こうに試着室のカーテンがついている。


鍵付きのドアと試着室のカーテンの間にある空間で付き添いが待ってれば、ほかの誰かに見られることなく水着をお披露目できるというつくりらしい。


店員にどうぞーって入るように促されたけど。



「いや、俺は外で待ってるから」


「えー……じゃあ、スマホに写真送るから見てくれる?」


「それは、」

ばかなの?


言いたいことは全部ため息に変わった。



「俺もう選んだし、あとは恋々が自分で決めたらいいじゃん」



「だって自信ないもん……」


「お前何歳だよ」


「朱里くんがあたしのセンス馬鹿にするからでしょ!?似合うかどうかくらい見てよ……」


「いや……それ、恥ずかしくないわけ?」


「え……でも、だって水着だよ?」



っていうけどこっちからしたらそれは下着とほぼおんなじだから。