【完】君に惚れた僕の負け。


「朱里くん、これってどうかな?」


目を輝かせながら自分に合わせて俺に見せる白のビキニ。



ほら見ろ。

頭おかしいの選んできただろ?



「この紐、何?」


「胸の下でクロスさせるみたい。こんな感じ」



え、わざとですか?

服の上からだけど、胸に水着を押し当てて、ビッチの彼氏が喜びそうな紐を胸の下で交差させて。



「やめろ馬鹿」


奪い取って水着を戻した。


誰も見てないだろうな。


近くにいたカップルの男に目を向けると、その視線は恋々へ向いていた。


……見てんじゃねーよ。消えろ。