夕飯を食べて店を出れば、外はもう真っ暗だった。



「じゃあ俺は恋々を送ってくから、池田はヒナな」



さりげないふうちゃんのアシスト。あたしとふうちゃんはこっそり目配せする。



「じゃあなー」



ドンっと池田くんの背中を押したふうちゃんの後に続いてポンポンっと肩を叩いた。あたしたちの想いは「がんばれ」なんだけど、顔はにやにや。



「……わかってるから」



恥ずかしそうに声を絞り出す池田くん。その隣でヒナもなんだか、顔赤い。




なんか……よくわかんないけど二人からあふれ出してる幸せオーラにどきどきするよ……。




「ふうちゃん、あたし実は最近ね、池田くんってヒナのこと好きなのかなって思うんだ」



「は?いまさら何言ってんの、恋々。入学式からずっと、明らかにそうだったじゃん」



「え!?入学式から?」



「ヒナもそういうの感じとって、池田のこと好きになったんだろ、どうせ」



「へぇ……そうだったんだ」




全っ然……気づかなかった。



ていうかそういうのって、言ってほしい……。




「お前ほんっと鈍いよなぁ。一回病院いってみたら?」



そんな真剣な顔で言わないで。



っていうかそれ、朱里くんにも最近言われた気がする。