【完】君に惚れた僕の負け。


っと、次は移動教室だから早く教室戻らないと。



教室ではヒナたち3人がまったりしていた。



「すずしーっ」



クーラーってほんと最高。



「お!帰ってきたか恋々。てかあの幼馴染なんなの?」




ふうちゃんは両腕を抱きしめてわざとらしく震えるそぶりをする。けど口は笑ってる。




「俺“なんとか骨”、折られたくないしちゃんと言っといてよ?冤罪で重症とかたまんないから」



そう続けるふうちゃんだけど。



「言うって……?朱里くんに何を言えばいいの?」




「『恋々はとんないよ』、って言っといて」




言い切ってからぷはぁっと噴き出したふうちゃんは、げらげらと笑い始めた。




「恋々の幼馴染くん、可愛すぎだよ」



ヒナも笑ってて。池田君もちょっと笑ってる。




「……なにが面白いの?」




この状況に置いていかれているあたしは、どうしたらいいの?




池田くんがくすくす笑いながら静かに言った。




「恋々の幼馴染、ものすごい独占欲だね」



……独占欲。




よくわかんないけど。ちゃんと伝えよう。




……朱里くん、めっちゃ笑われてたよって。