久しぶりに見る朱里くんは、相変わらずの中性的な整った顔立ち。
身長だって、また伸びたでしょう?
高身長、イケメン、スタイルよし。
いかにもモテそうな容姿の彼は、あたしの高校に推薦で受かったそうだからそうとう賢いし、さらにバスケ部では中1のころから大活躍してたスポーツマン。
そう、つまり完璧なひと。
でもまさか、彼女がいたなんてびっくりだなぁ。
「って、彼女さんはあたしと同居することに反対してないの!?」
迷いない線で描かれたくっきり二重がじろっとこっちを見た。
「もう別れた」
じゃあ今は彼女いないんだ。ほっとした。
「……よかったぁ。なら、あたしたち一緒にいられるね」
バンクーバーにも送られず、心置きなくこの日本で!
「え?……俺と一緒にいれて嬉しいの?」
小さい声で聞く朱里くんのキョトン顔に、あたしは首を傾げる。
「うん、当たり前だよ」
朱里くんがいなかったらバンクーバー行きだもん。
「……あっそ」
あれ?
朱里くん、顔あかくない?
コーヒーを差し出しつつ顔を覗き込もうとしたら「砂糖がほしい!」って叫ばれて、とっさに「はい!」って答えたけど。