とりあえず、コーヒーでも淹れようか。
そういう流れを感じてカウンターキッチンに立った。
ふてくされたような顔してスマホを操作し始めた朱里くん。
朱里くんが突然不機嫌になるのはよくあること。
まぁ、彼って1個年下だし、あたしはお姉さんだからそういうのは許してる。
それにしても、うん。
かっこよく育ったなぁー。
四ノ宮朱里くん。
もうすぐあたしと同じ高校に進学する15歳。
3月30日生まれのあたしと、4月3日生まれの朱里君は、生まれた産院からのお付き合い。
誕生日は3日違いなんだけど、学年は違う。
だから、あたしが高校に進学して離れてから、ここ一年ろくに会ってもなかった。