あたしを見おろして、笑っている。 悪いかと聞かれたら、 「全然悪いとは思わないよ? 別に寂しくもないし。ただ正直、びっくりした」 というか、朱里くんの方が後輩なのに、先越されるなんてショック……。 ぶつぶつ言っているうちに、朱里君のほうからただならぬオーラが漂ってきた。 そう、色で例えるなら真っ黒。 「……なんかすげーむかつく」 眉根を寄せる朱里くんは、不機嫌にどかっとダイニングテーブルについた。