「あるわけがない。なぜこんなものを楽しむのか、理解できない」

「乗ってみたら楽しいかもしれないぞ?」

どんな反応をするのか興味本位で、透は玲奈の手を掴む。細すぎる腕に驚いたものの、透は玲奈をジェットコースターに連れて行った。この遊園地のジェットコースターは、かなりのスリルがあるということで人気だ。

「私は早く調査がしたいんだけど……」

「まあ、せっかく来たんだしちょっと楽しもう」

人がそれほどいないため、すぐに透と玲奈はジェットコースターに乗ることができた。最前列に乗り込み、安全装置が下される。

急降下に向けて、ゆっくりとジェットコースターが坂を登り始める。ドキドキしながら透が隣を見ると、玲奈はキョロキョロと辺りを見回していた。

「怖いのか?」

透が訊ねると、玲奈は「そんなわけないだろ」と冷たく返す。その横顔が、一瞬微笑んだような気がして透は顔を正面に向けた。

そういえば、これってデートなのか?