「あんたさあ、いい加減仲直りしなよ〜」

職場の同僚に相談すると、いつもこの答えが返ってくる。一番仲のいい奈々美(ななみ)は呆れながらこう言っていた。

「ケンカして仲直りせずにそうやって過ごしてると、愛情がなくなって彼氏が出てっちゃったっていう話もあるよ?あたしの姉さんがそれで破局したし……」

私だって、仲直りしたい。別れるなんて嫌だ。達也くんを嫌いになったわけではないし、一緒にまた話したりしたい。

でも、お互いに避けている期間が長引いているせいか、謝るタイミングがわからない。顔色を伺っても、今が謝る時なのかわからない。謝れないたびに「向こうが悪いじゃん」と思っている最低な自分がいる。

「どうしたらいいんだろう……」

私はシェリーメイのぬいぐるみを抱きしめ、考える。このぬいぐるみは、達也くんと二人でディズニーに遊びに行った時に買ったもの。乗り物に乗って、ご飯を食べて、とても楽しかった。