「つまり、ハルはあたしに恋愛感情はない、と?」


「そりゃ当たり前だろ!
タイプじゃないし!」


ハッキリ言ったら次は明らかに不機嫌になってしまう琴子。


「こっちだって全然タイプじゃないんだけど!!!」


「あぁ…スイマセン…」


「だから悪いって思ってねぇのに謝んなって!!!」



「でも…
何となくだけど、うまくやっていけるような気がするんだ。
そりゃー他人との共同生活って奴だからストレスになる事も沢山あるだろうけど
何となく…琴子とならうまくやっていけるんじゃないかなって…。
それに家がないって困るだろ?」


「そりゃぁ…困ってるのは困ってるけどさぁ~…」


「良い物件があるんだよ!!
2LDKでまだ新しい方でペットも可!
俺と琴子の仕事先へも電車1本で行けるし!

でも…ひとりだとどうしても予算が足りなくて…」


「だからあたしとって訳?」


「勿論家賃も折半で、光熱費は俺が負担する!
1回物件を見に行くだけでもいいから…」


「なるほどね。そーいう訳ね」



うーん、と琴子は頭をひねるように考える。
当たり前だ。
初めて会った男といきなり一緒に暮らそうなんて言われたって
普通の女の子ならすぐにオーケーを出す訳ない。