ただ明るい彼女が何故そんな仕事をしているのかが疑問だった。
…職業に差別なんかしない。そう思っていたって、’そんな仕事’とパッと思ってしまった自分は
もしかして差別していたのかもしれない。


無意識にそんな事を考えてしまった自分にげんなりするな。
人様の仕事を非難できるほど立派な人間じゃあねぇだろ。



「別に。大した理由があってしてるわけじゃないから
普通の仕事してるより全然稼げるし
しんどい時もあるけど、ハルたちよりずっと楽な仕事だよ」



「…さっき、家がないって言ってたけど」


「家賃払えなくなって追い出された。
ハルが想像してる通り風俗嬢ってお金にだらしない人間多いから、あ!もちろんしっかりしてる子もいるよ!
あたしみたいに何となく働いてるわけじゃなくて、目的を持って働いてる子も少数ながらいるし
今はユカリの家にいるんだけど、ユカリってのは今日合コンに来てたキャバ嬢ね」


優弥と楽しそうに話していた子か。
確かにふたりだけ雰囲気が違っていた。



「ユカリもぉ帰っちゃったかな~、
げぇー電話出ない~…。もしかして誰かにお持ち帰りされちゃった?」


携帯を手に取って唇を尖がらせる。
’持ち帰る?!’そういう事を平気で口に出すな!
つぅかまさか優弥と何かあったかな?…いや、それはないよなぁ。
あいつはちゃらけて見せても実は真面目な奴だし…。