「仕事は風俗嬢!」




これまた、何も躊躇いもせずに言い放った。


ふ、風俗嬢?!
風俗嬢とは……?


アレだよな?
いわゆる、ソープとかヘルスとかって奴だよな?
そんな場所行った事がなくたって、どういった場所かは知っている。
というか、それって明るく言う事なのか?普通隠したり…。


つまりは体を売っているという事なんだよな。
何か事情があるのだろうか…。お金にすごく困ってるとか?
明るく振舞ってるけれど、心に物凄い闇を抱えてるとか?




思わず言葉を失ってしまった俺の顔を見て、琴子は大きな声で笑った。




「あははははは!!めっちゃ困ってるぅ~!!」


「や、そういうわけじゃなくて……」


「いま、あたしの事を可哀想って思った?」


琴音と同じ緑色の瞳。
それは、すべてを見透かしてるような瞳。



「それとも汚い、かな?」


「や!!それは全然思ってない!」


その言葉だけは心からの本音。
汚い、なんて思ったりしない。
驚いただけで


汚い、と思えるほど俺は風俗嬢の仕事を知らない。
知らない物事に対して可哀想だと同情が出来るほど偉い人間なんかじゃない。