「天使?!
確かに琴音は天使だよね!!可愛いよね!!」


力説すると、彼女はきょとんとした顔をして、琴音を抱き上げた。


「琴音?」


首を傾げる彼女を見て
良い歳をした男が猫を天使だと力説した事が急に恥ずかしくなってくる。


「あ、その猫の名前」


「えー?!お前琴音っていうの~?!
あたしは琴子!一文字違いだねっ!」


恥ずかしがる素振りなんて気にするわけでもなく
まるで人間に話をかけるように琴音に声を掛けた。
にゃーんと鳴いて、再び肩へと登って行く。


「猫好きなの?」


「好きじゃない!!
てゆーか猫とこんな風に触れ合うの初めて!
てゆーか猫が肩に乗ってくる生き物だってことすら今日知ったよ?」


「いや……多分珍しいと思う…。
何でか知らないけど琴音は小さい頃から人の肩に乗ってくるのが好きなんだ」


「ふぇー?!お前小さいもんな~?
大きい人間の肩に乗って、高い世界を見るのが好きなのか~?
でも残念~あたしは小さいからあんまり高い場所は見せてあげれないよぉ~?」


「にゃー」


まるで会話しているみたい。


琴子と琴音を見て思った。