【完】ボクと風俗嬢と琴の音


大輝の話によると
隼人(わたしが働いていたデリヘル店店長)は犬を飼っているらしい。
そして、その犬の具合いが悪くなって、動物病院へ連れて行って欲しいと頼まれた。
店長は生憎仕事が忙しくて手が空けられない状況で、大輝に無理を言って頼んだというのだ。
勿論大輝は犬も猫も動物全般が苦手なので、絶対に嫌だと秘書に頼もうとしたら手が空いていないという事で
何はともあれ店長に強引にチワワを預けられ、病院へ連れて行く羽目になった。車に乗せてる間中キャンキャンと吠えていて、耳が取れてしまうのではないかという程うるさく、ますます犬が嫌いになったそうだ。



結果的に動物病院に連れて行ったら、チワワは小さなボールのような物を誤飲してしまっていたらしく
緊急手術。命には別状はなかったらしいが、入院になったそうだ。

店長かかり付けの動物病院はアットホームな小さな病院で捨てられた子猫などを保護して、新しい飼い主を探すなんていうボランティアみたいな事もしているらしく
たまたま大輝が病院に行った時も、6匹の子猫が保護されていたそうだ。
おばあちゃんの家の車庫で野良猫が子猫を出産したらしいのだが、出産直後母猫が交通事故で亡くなり、お孫さんが困り果ててこの動物病院に駆け込んできたって訳で


そこで運命的にこの白猫ちゃんに出会ったというわけだ。


「何かあの医者が勘違いしてたみたいだ。
面倒くさかったからあのチワワを今すぐに何としてでも助けてくれって余りにも必死に頼むから、かなりの動物好きの人間かと…
ただ何かあったら永久に隼人から恨まれそうだったからなんだけど。

それで俺に目をつけたのか、箱の中にはこう、小汚ぇ、ちっちゃい目も開いたばっかのような子猫がうじゃじゃと
見た瞬間鳥肌が止まらなかったよ」


大輝は体をブルっと震わせて、眉をしかめ舌を出した。
動物嫌い、というのは確かなのだ。