「いや、俺は黙っててもモテるんでご心配なく」
「あーハイハイ。そうですねー。そうでしたねー。今をときめく西城グループのご子息様ですからねぇ」
「相変わらずムカつく女だな。
まぁいい、元気で何よりだ。死んだような顔で来られたらどうしようと考えていたところだ」
「ほう…心配してくれていたというのでしょうか?」
「まぁな。傷ついてぐちゃぐちゃになっててどうしようもなくなってたら
ホテルにでも行って1回くらい抱いてやってもいいと思ってたんだがな」
「…それはお断りだわ」
相変わらず生意気で、毒舌。
可愛げなんつーもんはありやしない。俺様だし。
でも相変わらずの大輝を見て。何故か安心した。
やっぱり西城大輝はこうでなくっちゃ。いきなり優しくなんかなってたりしても、気味が悪いつーもんだ。
さっきまでアレだけ人のアパートを貶してたかと思ったら、大輝はふんふんと鼻歌を吹きながら機嫌良さそうにハンドルを切る。
今日は朝から快晴。
車の窓からは雲一つない青空が流れて行って、オレンジ色に光る太陽が地面をじりじりと燃やしている。
窓を開けると、秋の少しだけ冷たい、でも柔らかい風が頬を突き刺していく。



