【完】ボクと風俗嬢と琴の音



「変わってないって言われたらそれはそれでショックなんですけど」


「だってやっぱり大きい~!
まぁ、身長が縮む事はないかぁ~。
でも相変わらずかっこいいじゃん」


「いやいや、琴音先輩こそ相変わらずお美しくて」


「えーあのハルくんがそんな事言えるようになってるなんてー
ちょ~感動するべぇ~」


「感動するべって…。
僕もこう見えて大人になったんですからね」


「うんうん、大人だ。
それにあたしは感動したよ。まさかハルくんがこんな一流企業の立派な営業マンになっているとはね」


「琴音先輩こそ、良い会社に就職しましたね。
まぁ高校時代から頭良かったですもんね」


「アハハ~、別に勉強それほど好きじゃなかったから、自分のレベルで行ける大学に行ってたまたま就職試験で受かった会社に入社したって感じですよぉ」


「…相変わらず人生イージーモードのようで」


「アハハ~何それ~」


明るくて、太陽みたいな人。
沢山の人から、愛され生きてきた教科書のような人で
俺なんて大学進学の時も必死に勉強したし、就職だってかなり大変だった。
それをするりとすり抜けてしまうような琴音先輩のような器用な人がいて
傍から見れば、選ばれた人間。物語の主人公になるべくして生まれた人間って、必ずいる。

残念ながら、自分はそういった人間ではないところが悲しいのだが。
所詮、脇役人生。
琴音先輩を見ると、本気でそう思う。