【完】ボクと風俗嬢と琴の音



でも考える未来の先に、山岡さんとふたりで居る事を想像すればするほど、どこかで琴子の事が頭にちらついた。
いつか琴子の事も忘れられる。夢のようなふわふわとした1年間だったと良い思い出に出来る。
そして俺は誰かとまた恋に落ちて……でも今は、今じゃないんだ。今は駄目なんだ。
そして、山岡さんはやっぱり俺の中では無いんだ。始めもしようともせずに無いと言ってしまうのは失礼かもしれないけど、琴子の存在を知っている山岡さんとは、どうしても付き合えない。



それが毎晩悩んで出した結論だった。





6月。
時間は待ってはくれない。

とある金曜日の夜に山岡さんを食事に誘った。
山岡さんはお洒落なお店にそこまでの拘りがないのは知っていたけど、自分なりに調べて静かに話が出来るお店を選んだら自動的に女の子が好きそうなお洒落なイタリアンレストランを選んでいた。
こういうお店も、前までは琴子に調べてもらっていた。


今日も、山岡さんは完璧に美しい。
だけど、前とは少し違っていて、山岡さんの私服は少しカジュアルになっていて
それでも彼女の美しさは依然と変わりはないのだ。