この胸の高鳴りは、恋に少し似ている。
琴音を好きになる気持ちは、ハルを好きになる気持ちに少しだけ似ている。
生活の中にいつの間にかいたこの小さなふわふわの猫は、いつだって帰ってきたらお出迎えをしてくれて、ずっと待っててくれて
ツンツンしてるくせに健気なその存在がこんなにも愛おしくなる。
きっと言葉に出さなくたって、ハルだってそうだ。
わたし、琴音になりたい。
無条件でハルと一緒にずっといれる権利を持っている。
そう思えば、どこまでも愛しさはこみ上げてくるもので、ぎゅーと琴音を抱きしめていた。
抱きしめすぎて、にゃ!と言って迷惑そうな顔をしたと思えば、すぐにぴょんっとわたしの腕の中からジャンプした。
尻尾を立てて前を歩きだす琴音が
玄関で一瞬足を止めるわたしの方へ振り向いて
すぐに小走りでリビングの方へ掛けて行った。
それを追いかけるよう、一歩また一歩前へ足を進める。
キッチンの奥から良い香りがしてきた。
ぐ~。 こんな時でもお腹がなってしまう自分自身に笑えた。
そういえば今日はまだ何も食べてなかった…。



