「無神経な男ね」


でもその言葉は全然冷たくなくて
むしろ俺をからかっているようにも見えた。


良かれと思ってした事が
大きな喧嘩の引き金になるとは思わずに

やっぱり自分は無神経だったのだと痛感する羽目になる。


どこまでも無神経な俺は、仕事の鞄に隠していた猫クッキー。
琴子なら喜ぶと思って、デパートで買っておいた可愛らしい猫クッキー。
ホワイトデーのお返し。
それを渡したらどんな顔をするのか、そんな事ばかり考えていた。