キャラじゃないって。
人を殴るなんて、ハルらしくないよ。
それなのに、それを想像しただけで、心が暖かい気持ちでいっぱいになる。
「ただいまっ!」
勢いよく家の扉を開けたけれど
室内はガランとした静けさに包まれていた。
琴音さえ、出迎えには来てくれなかった。
いないのか?
まだ仕事から戻って来てない?
帰ってきている気配は感じられなかった。
帰ったり、帰らなかったりしていて、まともに顔を合わせていない。
リビングの明かりをつけて、ハルの部屋を見てもそこには誰もいなかった。
「琴音?」
珍しく琴音がお出迎えをしてくれなかった。
リビングに戻って琴音を探すと、キャットタワーに備え付けられている小さな小屋の中丸まっていた。
「ちぇー…お出迎えもナシかよ」
顔を近づけると、琴音は自分の鼻をわたしの顔をへと近づけてきた。
そして、片目を開いてこちらを見つめる。
「琴音?」
ニャーと、か細い声が聞こえてきた。
そして琴音はもう片方の瞳を開けずらそうにゆっくりと開く。
「琴音?!」
けれどいつもはぱっちりと開かれている瞳が、今日は何故か開かない。
半目のようになっていて、腫れているように見える。
開けずらそうにしている左目からは黄色い膿のような物が流れてる。
鼻先からはツーっと水のような鼻水が流れている。
何これ。
慌ててバックの中から携帯を取り出して
震える手で電話を掛ける。
2コールで直ぐに電話に出てくれた。



