「お前は背も高いけど、プライドも高いな」


「そーですねぇー僕は西城さんみたいに人間出来てないんでー」


「どーせ下らない事を言ってあいつを怒らせたんだろう
傷つけてばかりいるなら、早くあいつの前から消えてくれ。


あ、消えるのはあいつの方か。
今彼女の条件が合う物件を探している途中だ」




そうだよな。
そういう事は早め早めの方がいいよな。
1年後にはお互いに別々の家を探さなきゃいけないんだから
俺も…そろそろ探しておかなきゃいけない…




「じゃ僕は仕事が残っていますんで!
バイバイ美麗ちゃん、またどこかで会えたら!」

山岡さんはベーっと舌を出して
口をイーってした、

後ろを向いていたはずの西城さんが振り返って
ぶっと笑った。

「前より全然良いね」

そう笑って、去って行った。




「…俺はここでコーヒーを飲んでから帰る。
ふたりは飲み会に戻りなよ。つーか戻ってください」


「晴人……お前、本当に大丈夫か?何かあったら俺に絶対に言ってくれよ?」



コーヒーを飲み干して
少し冷静になってお店を出た。




「あ」

お店の入り口には、山岡さんが立っていた。

「何してんの!もしかしてずっと待ってた?」


「だって絶対帰れって言われるから
だからずっとここで待っていたんですぅ」


「寒かったしょ?送っていくよ」


「寒くない。これがあったから」


そう言って首元に巻かれている
俺があげたクリスマスプレゼントのマフラーを見せた。


「送って行くよ」


「だいじょーぶです、そんなやわな女ではないですから。
駅まで一緒に帰るだけで充分です」