「よく考えたんだ。
俺は山岡さんの事が本当に好きだったのか、好きなのか?
全然答えが出せずにクリスマスまで迎えてしまった。最初は周りから言われて、可愛いなと思ったし、一緒にご飯を食べてて楽しいなと思う事もあった。
あんな可愛い人が彼女だったらきっと幸せなんだろうなって考えていた。
でも今日目の前で告白されて、全然好きじゃないって気づいた。きっとこの先も好きになれないって気づいた。
ごめんな、琴子にも沢山アドバイスしてもらったのに」




ハルの顔がしょんぼりしていた。
だからわたしもしょんぼりしてしまった。
わたしの心のなかで少しでもふたりが上手くいかなかったらいい、なんて少しでも願ってしまったから。
何だかそうなってしまった気がしなくもない。
…でも山岡さんから告白したというのであれば、彼女もハルと過ごす時間のうちで本気でハルを好きになっていったのかもしれない。
それならば



「何で琴子が悲しそうなんだよ」


「だってさぁー…」


「大丈夫。俺の恋人は暫く琴音」




わたしたちの間にいる琴音にそう話をかけたハル。
琴音は上目遣いでハルを見つめてから、ぴょんっとわたしの肩へと乗ってきた。
そして寛ぎだした。