【完】ボクと風俗嬢と琴の音


わたしの中にはふたつの心があった。

優しい心と、醜い心。
山岡さんにはハルを傷つけないでほしい。大切にしてほしい。ふたりは上手くいってほしい。
だってハルが選ぶ人とハルが一緒にいれたら、きっとそれは歪な物など見当たらない幸せなのだから


それと同時に、山岡さんが最低な女性であって欲しいと願っていた醜い自分がいた。
そんな女はハルに近づかないで、ハルを傷つけないで
そして山岡さんがそんな女性である事に、少し安堵をしている自分がいたのだ。
けれど少しずつ変わって行ってしまっている彼女の心境の変化を見たくなくて



わたしは彼女の本音が見えるツールを消したのだ。

自分の私利私欲のためだけに、ふたり結ばれない未来を願った。
そんな悪い事をお願いする悪い子にはサンタさんは絶対に来ない。欲しいプレゼントなど貰う資格はない。

こんな考えをしてしまうから、自分の気持ちなんて気づきたくなかった。







今年も結局ホワイトクリスマスになんかならなかった。
土曜日にクリスマスイブなんて、どうせなら平日にして欲しかった。
土曜日、クリスマスイブ、誕生日。出勤をいれる気になんかなれなかった。



休もうっ!