「はぁ~~~男の嫉妬ほど醜いものはないわねぇ~
それで何?お花畑ちゃんとはうまくやってないの?
結構社内でも噂になってるよ。受付の山岡さんと営業の井上が良い感じだって」


「クリスマスに…約束を…」


「あらー案外そつなく恋愛までこなしちゃってー」


「や、全然そんなんじゃないんですけど
自分は、彼女に料理が好きだってことすら伝えてませんから」


「へぇ、なんで?」


「だってきもくないですか?!
男が料理が好きだって!趣味が家事だなんて
フツーの女性ならきっとドン引きです…」


「今まで美味しく食べてくれた人もそう言ってた?」




木村さんは横の髪を手でかきあげながらそう聞いてきた。


’おいし~い!’

’ハルの料理は世界1だねぇ~’



「全然」


「失ったらいけない物って
きっと本当に大切な物なのよ。
失って仕事に集中出来なくなるほど大切な物だったのなら
努力しなかったらいけないものなのよ」